2分、遅れます。

タイムリーでも、周回遅れでもない、思考の振りまき。

中東かく語りき_シリアの悲哀

News week japan 2/4付 シリア内戦終結を目指す地雷だらけの和平協議 より。

 

ジュネーブの和平協議は難航中。その間、先月31日にシリア首都・ダマスカスにてISILによる、シーア派モスクに向けた自爆テロ

※ISILの憎悪は基本的には米欧に向かない。彼らの目的は”Islamic ”State” in Iraq and the Levant"の名の通り、シリア/イラクに跨る中東の要地にて自分たちだけのオアシスを作ることだからである。そのために根絶すべきはイスラムの異端、シーア派(イラン勢力)、アサド政権、クルド人勢力なのだ、ということ。

 

ロシアは、シリア情勢においてはアメリカも真っ青のヒーロー役を演じたい。ウクライナでは今も駆り立てられた民衆の暴動といった混乱が生じている。冷徹なヒールの立場にはそろそろ懲り懲りなのだろう。

 

以下、"ロシア"以降、完全な受け売り。

※っても中東情勢に関してはほぼ例外なく受け売りなんですが・・

 

ロシアはシリアを二分割にしたいと懇願する。

 

シリア領土内のタルトゥースにはロシア海軍が常時滞留している。お隣、ラタキアはアラウィー派(アサド大統領一味を有するイスラムの一分派。大別するとシーア派セクトに属す)の総本山。これにレバノンシーア派ゲリラ・ヒズボラの影響力が強いホムス、クサイル等、各所を包みダマスカスを拠点にする。そこに自分たちの忠実な第五列として働く、"アサドの帝国"を築くことが目的だからだ。そのこころは当然、バルト三国/ポーランド侵攻に向けた、NATOへの掣肘体制構築。

※そういやアメリカ大統領選話題のトランプさんってプーチンシンパらしいね。負けたけど。

 

 

アサドは、国際社会に対し十二分に知らしめてやりたい。"シリア危機は、国外勢力が生じさせていた。"

チュニジア/エジプトで炸裂した革命の余波は、確かに10年以上も独裁政権を維持するアサド政権にも影響を与えた。しかし革命当初、市民の反応はどちらかというと冷ややかなものだった。それをSNC(シリア国民評議会。国外に住む反政府分子と、エジプト由来のイスラム主義団体であるムスリム同胞団が中心勢力)が反体制デモを扇動し、彼らと同じくスンニ派であるアラブ諸国が、世俗主義のアサド政権打倒を掲げ、"自由シリア軍"といった武装ゲリラを援助することで、シリアの政情をボロボロになるまで蚕食することを考えた。

 

サウジやUAEといった湾岸の金持ち国家は、何万と溢れたシリア難民を徹底的に拒む。彼ら曰く、"自国民の安全を保持する"ためだと。つまり、イスラムの盟主であるはずの大国一同が、"うち等が奉じているのは、粗野で、危険な宗教なんですよ"と暗に認めてしまっている。世界中で頻発しているイスラミック・テロの9割方は、サウジの国教であるスンニ派ワッハーブ主義者の手によるものであり、彼らはイスラムの世俗化、他教徒との共存を模索するムスリムの姿を徹底して嫌う。"イスラム教"が過激に思われれば思われるほど、欧米からのカネと保護を取り付けられる。永遠無限のマッチポンプだ。

※彼らのシリア難民受け入れ拒否で得られるメリットにはイラン潰しという側面もある。彼らは難民を、自国からそう遠すぎない周辺国に散らばるようコントロールしておきたい。というのもシリアの国民の7割強はスンニ派で、なかんずく反体制思想を持った暴れたい盛りの若者には簡単にゲリラとしての適正を見出せるからだ。現にレバノンへと逃げ込んできたシリア難民の一部は国内過激派と合流、彼らはヒズボラの本拠地を攻撃したがっている。イランの手先で、通称"中東最強ゲリラ"のヒズボラの力が弱まることは、必然的にその親玉の影響力の低下も意味するので。

 

アサドは覚悟を決めているようにも見える。テロリストを粛清し、どんな手段を使ってもシリアの国体を護持する。その為にはタル爆弾だろうが、スカッドミサイルだろうが市外のど真ん中で躊躇わずに使用する。

それによるコラテラル・ダメージ(巻き沿え)を市民も半ば了承している。彼らとしては、とにかく国外へテロリストを追いやってほしい。

 

 

3年程前のこと。混乱を極めつつある国内情勢について、彼は、ロシアの国際放送局であるロシアトゥデイから以下の質問を受けた。

 

"この内戦が終わったとき、あなたはどのような方法であなたの国民と和解するつもりか?"

 

彼は、半ば嘲笑気味に自信満々な表情でこう返す。

 

"私たちの戦いは内戦を孕んでいません。私と国民の間に問題が存在していないからです。アメリカは私を憎み、西側も私を憎み、トルコも私を憎み、湾岸諸国も私を憎んでいます。この上に国民からも憎悪を買っているとしたら......私はなんでここに居ることが出来るんですか?"

 

 

絶え間なく続く、"内戦"の最終決着は、"シリアに勝って、アサドに負けた"、か。

 

 

シリア国民の約6割は今でもアサド政権を支持しているという。